最近副業の話題が増えてきました。
特にMRやCRAの方々は何か本業以外で収入を増やせないかな~と考えたことはないでしょうか。
少し前のデータですが、平成26年度兼業・副業に係る取組み実態調査事業によると、副業・兼業を認めていない企業は85.3%。
副業を容認している製薬会社
最近は色んな会社が副業を容認しています。会社によって対象者の縛りや、副業形態に制限があるようなので何社か調べてみました。
ロート製薬
対象:勤続3年以上の正社員
特徴:社外チャレンジワーク制度
ツムラ
対象:全社員(新卒 3 年以内、キャリア採用 1 年以内を除く)
特徴:開始希望日の1ヵ月前までに申請書を提出し、承認を受ける
勤務時間外や休日のみ可、深夜および早朝時間(22 時~翌日 7 時)
禁止就業開始時間前11時間以内は不可
2024年4月1日より導入
武田薬品工業
対象:全従業員
特徴:月10時間以内
塩野義製薬
対象:全従業員(入社3年未満、管理職は対象外)
特徴:2022年4月導入
2023年4月時点で約120人の従業員の申請を承認
アステラス製薬
対象:全従業員
特徴:2020年4月導入
2023年3月時点で131人の従業員の申請を承認
第一三共
対象:全従業員
特徴:2022年4月にガイドライン策定(元々は許可制で認められていた)
鳥居薬品
対象:全従業員
特徴:2023年2月にガイドライン策定(元々は許可制で認められていた)
エーザイ
対象:全従業員
特徴:月40時間
深夜は不可
日本新薬
対象:全従業員
特徴:2022年8月導入
あすか製薬
対象:再雇用者
特徴:2022年4月導入
協和キリン
対象:全従業員
特徴:2021年10月導入
小野薬品
対象:定年嘱託社員
生化学工業
対象:55歳以上の社員、再雇用者
MSD
特徴:2018年には副業を始める際のチェックポイントをまとめた社内ガイドラインを発信
副業申請例:医薬業従事、コンサル、会社設立、スポーツインストラクター、WEBライター
ノバルティスファーマ
特徴:2009年導入(業界最速?)
住友ファーマ
対象:60歳以上の再雇用社員(現在は全従業員の可能性もあり)
特徴:事前に届け出を提出して許可
将来的に全従業員を対象とすることを検討
2021年4月より導入
小林製薬(株)
対象:全従業員(新卒採用者は勤続3年以上)
特徴:人事部へ申請をし、事業部長による承認を受ける
就業時間外であれば可能(年次有給休暇取得日の就業は可)
2022年2月1日より導入
OTC企業(一般用医薬品を扱う企業)ですが、特に副業を推進しているのがロート製薬。多方面に活躍されている方が多くいらっしゃいます。
社内副業を導入している製薬会社
また中外やロート製薬など一部の企業では社内副業(社内複業、社内ダブルジョブ)と社内の別部署で兼業するケースも出てきています。
社内副業とは、自分の所属する事業部や部署、チームなどに在籍しながら、別の部署やチームの業務に携わることを指します。通常の副業(社外副業)とは異なり、あくまで社内での活動であり、自社の組織内でスキルや知識を活かすことになります。
社内副業のメリット
社内副業のメリットには以下の点があります。
能力開発の促進
別の部署やチームの業務に関わることで、普段の仕事とは異なるスキルや知識を身に付けることができます。例えば、製薬業界ではあまりないかと思いますが、研究/開発職などのメンバーが営業部門で社内副業を行うことで、営業スキルや現場での実臨床での評価などの知見を得ることができます。
データが良くても剤形によって服薬コンプライアンスの低下が実臨床では悩みの種とかはなかなか内側の人には分からない部分ですよね。こういった見識が製剤設計や臨床試験段階で活かせることもあるかもしれません。
また、MR/OTC営業職が広報などの仕事を兼業することで、現場目線の宣伝に落とし込むことでできるかと思います。
マンネリ化の防止
社内副業を通じて他部署の業務に携わることで、モチベーション向上につながる刺激を得られます。また、新たな気付きを得ることで元の仕事に対しても創意工夫の余地を見出すことができるかもしれません。大手では特に業務が細分化されており、単調な作業になってしまうことも少なくありません。別部署で働くことで普段とは違う刺激を得られるかもしれませんね。
離職防止
社内副業は、離職理由の解消にも役立ちます。社内副業を通じて次のキャリア開発の可能性を示すことで、退職や転職を選択する前に社員を留めること可能性があります。マンネリ化の防止とも関わることですが、若手ではこのままでは全然手にスキルが身につかないといって転職を検討する人も多くいるので可能性を見出してもらうことは大切かなと思います。
周りの20代での転職事例としては、MR→コンサル、MR→CRA、MR→医療機器、商社→ITコンサル、MS→医療系ベンチャーなど。コンサルに行く人が多い印象です。
社内副業のデメリット
ただし、社内副業には以下のデメリットやリスクも考慮する必要があります。
マネジメントの複雑化
社内副業を行う本人と、本業部署・副業部署の両方の上司のマネジメント業務が複雑化します。スケジュールや評価の把握が難しくなることもあります。 業務負荷も多くなるので問題が起こりやすくなる可能性もあり、両方の上司との調整やフォロー体制の構築が必要になります。また、元の部署の業務がおろそかになって業務に穴が開いてしまったら元も子もないですもんね。
賃金の見直しの必要性
社内副業の賃金計算や労働時間の見直しが必要になる可能性もあります。こちらはどちらかというと副業をする本人よりも会社のデメリットになるかと思います。一般的には労働時間内の一部を他部署での仕事に充てる形が一般的で、給料の変動は特にないのが一般的なようです。
社内副業は、企業によってさまざまな形で導入されており、GoogleやKDDIなどが事例として挙げられています。Googleでは「20%ルール」を活用しており、KDDIでは約2割の就業時間を社内副業に充てる制度を導入しています。
製薬業界の副業例
まず資格を活かした副業が一番多いかと思います。
よくあるのが、看護師、薬剤師などの医療資格を活かした副業。私の周りにも週1で薬局やクリニックで働いている人が少なからずいます。
上記のサイトでは看護師や薬剤師の方は1日単位で単発派遣などを簡単に探せるそうです。
資格持ちの方であれば、もともと勤めていた先や、知り合いの紹介が多いですね。
医療系資格以外の副業
製薬会社に勤める多くの社員は医療系を持っていないかと思います。
そこでどんな副業をしているのか調べてみました。
まず不動産投資をしているMR。マンション購入などハードルは高いものの、Airbnbなどの民泊を利用する人もいるようです。SNS界隈には少なくない?
続いてWEBデザイン・動画作成。Adobeなどのソフトを使って動画作成をしているCRAがいました。話を聞いたところ、ココナラなどで、数千~1万くらいの案件があるそうで、月1万程度になるとのことです。初めに勉強は必要なものの、単発バイト感覚で出来そうです。
最後に
最後までご覧いただきありがとうございました。
終身雇用制度が終わりを迎えている中、転職、早期退職が一般的になってきました。本業以外での収入があると精神的にも楽なので、なにか副業を見つけたいところです。
どんどん色んな会社が副業を解禁しているので、気になる人は一度就業規則を見てみるのが良いかと思います!