医局ってよく聞くけどどういったものか意外と理解していない方も多いのではないでしょうか。
今回はMRやCRAや医療関係者など、新人の方向けに医局制度について解説していきます。
そもそも医局とは?
実は医局に明確な定義はありません。単に先生方が診療以外で仕事している部屋などを医局と指すことも多いです(大体医局秘書さんとかいらっしゃいますよね)。今回はいわゆる大学医局について話していきます。基本的に診療科ごとに医局が存在します。
先生方が医局に所属するタイミングとしては一般的に、2年間の初期研修を終えた3年目で入ることが多いようです。3年目というと自分の専攻科を決めて専門性を高めていく後期研修が始まるタイミングですね。また、専門医の資格を取るタイミングや地元に帰るときなどに入るケースもあるようです。
医局制度については日本特有の文化なようで、アメリカなどの他の医療先進国ではない制度だそうです。医師のキャリア形成に役立つものである一方で医局に属さない医師も増加しており、度々医局制度の在り方は話題に上がっています。
MR、CRA目線での医局の特徴
医局の特徴として、医師目線だと希少な症例の経験や研究の環境が整っているなどあるかと思いますが、今回は製薬会社など外部からみた医局の特徴をまとめてました。
- 医局人事
- 医局内で序列がある
1.医局人事
大学病院担当以外の方も注目すべき点は医局人事です。中心となる大学の上層部が、大学本院や関連病院の人事異動を決めています。特に若手医師は半年~1年という短期間で病院間を異動することも珍しくありません。医師の成長機会を促すためや医師不足解消の目的などがあるようですが、MRやCRAからしてみれば関係を築いていた先生がすぐに異動してしまうのは残念なことですよね。また、異動がぎりぎりまで先生から教えてもらえないことが多いですので、CRA目線で言えば急に治験責任医師が変わり、急を要する業務が増えることになりますので忙しくなります。
異動時期は4月や10月が最も多く、日系企業の人事異動と被ります。特にMRの方で重要なのは担当している診療科はどこの大学の医局人事で動くのか把握することです。例えば私が以前担当していた市立病院では循環器内科や産婦人科は県内のとある大学病院の医局人事で先生が動いていましたが、消化器内科と外科などは県外の旧帝大附属病院の医局人事で動いていたケースがありました。基本的には病院ごとでまとまっているかと思いますが、こういったケースもあるので注意は必要です。どこの医局人事で動いているのか把握したあとにポイントなのは、その大学担当者と連絡を取り、いち早く異動の情報を共有することが重要です。前担当者という理由でアポイントを取れるケースもあるので、情報に過敏になって損はないです。
2.医局内で序列がある
医局(大学医局)は一般的に教授をトップとしたピラミッド構造です。その下に准教授や講師、助教、医局員などと続いていきます。一般的な市中病院では診療部長などがトップとなっています。フラットな職場であっても上下関係が明確に存在することが多いです。薬剤の新規採用の申請権においても若手よりもピラミッドの上層部が力を握っていることも多いです。MRの方は、この上下関係を見極めることが重要とも言えます。教授がトップで次点に准教授というのは誰でも分かるかと思いますが、講師や助教のポジションは分かりづらいのではないでしょうか。講師は助教や医局長より上位で准教授に次ぐポストとなっています。立ち位置を探していたところ、文部科学省に分かりやすい資料があったので参考にしていただければ幸いです。
引用元:文部科学省HP 資料7 学校教育法の一部を改正する法律案の概要 大学の教員組織の在り方について
最後に
最後までご覧いただき、ありがとうございました。基本的にHPの医師紹介ページを見れば序列を分かるかと思いますが、講師の立ち位置や医局人事のポイントは医療業界にまだ詳しくないことは分からないこともあるのではないかと思い記事にしました。
少しでもこの記事が役に立てば幸いです。